【Day4】TDIフルケーブ講習体験記@リビエラマヤ|2025年5月25日

ミルマーレダイビングサービスの米盛です!
本日は、今年5月末にリビエラマヤでTDIフルケーブダイバー受講の4日目のレポートになります。
この日が一番の山場でした…!


ハードなトレーニング!詳細は下記に!

この日は陸上でのブリーフィングと、ランドドリル(水中で行うドリルを陸上で練習)にたくさん時間をかけていただきました。
それだけ大変なことをやろうとしているんだな、というのを如実に感じました。

この日のドリルは、

  • ロストライン
  • ガスシェア(ゼロビジリティ)
  • マスク交換(ゼロビジリティで腰の下あたりにあるポーチから予備のマスクを取り、ラインから離れないように交換する)
  • バックアップライト展開
  • シャットダウン・ドリル

を行いました。

ロストラインの手順。リールで自分のコンパスを作るんです

ランドドリルでは、ロストラインのドリル対策をみっっっっちりやりました。

ロストラインとは、洞窟・沈船などのオーバーヘッド環境でメインのガイドラインを見失い、バディともはぐれ、視界ゼロでも確実にラインへ復帰するためのスキルです。

文面では非常に恐ろしい状況ですが、しっかりしたフルケーブダイバー同士であれば、そのような状況が起こることはまずありません。
講習では、考えられる最悪の状況を想定したトレーニングを行います。


目次

ロストラインの手順

  1. 自分のリール(釣り糸のリールのようなライン)を固定できそうな岩などに設置し、自分専用のコンパスを作る。
  2. そのコンパスをもとに、自分にとっての北・東・南・西の順で、地面に膝をつきながら進み、メインのガイドラインを探す。
  3. 一度方向を決めたら、ガイドラインが見つかるか、リールの限度に達するか、壁に当たるまで進む。
  4. 見つからなければ戻り、コンパス地点に戻ったら90度方向を変えて同じ手順を繰り返す。
  5. ガイドラインを見つけたらリールを接続し、アロー(出口方向を示す矢印)の向きを確認。逆方向なら向きを変えて出口へ進む。
このリールと岩などを用いて自分専用のコンパスを作ります

陸上での実践(ランドドリル)

目隠しをして、自分の知らない場所に連れていかれ、上記手順で実施します。
膝あてを装着して行いました。

地面がゴツゴツしていて実践的!

途中、ガイドラインに“いたずら”をされて、ガイドラインの下をくぐる形になり、戻った時に発見しました。
「ああ、こういう感じでやるんだな〜」と感覚を掴みます。

上のラインに注目!インストラクターが持ち上げてます(笑)

戻るときに改めてラインを発見する体感を得ることも、この練習の大切なポイントだったんだな〜と実感しました。

イントラから言われた言葉:

「水中で目を開けたくなっても、どのみち見えないので目を閉じたほうが感覚が研ぎ澄まされますよ」
「もしガイドラインを発見できなかったとしても、今回はタンクを2本多めに持ってきているので、焦らずに頑張ってください〜」

ほう…タンクを2本多めに…。

この時はまだまだ余裕がありました。


水中での本番

いざ、水中洞窟の奥の広いエリアへ。
陸上と同じように目隠しをして、イントラに肩を掴まれ、自分のわからない場所に連れていかれます。

膝をつくためにブラダー(浮力袋)から空気を完全に抜き、イントラの手が肩から離れました。
実際はイントラがかなり近くで見ています。

水中洞窟の奥で、バディからはぐれ、全く見えない状況。
位置感覚も手掛かりも全くない——そんな中で、探そう…と思った瞬間。


呼吸ができない!?

さっきまで余裕だったのに、突然空気が吸えない。

なるほど…これがパニック手前の兆候か。器材のトラブルではなく、心理的に呼吸が浅くなってしまっただけだ。
EFRインストラクター(緊急時応急対応法指導員)の講習で習った通りでした。
とはいえ、感心している場合ではありません。

この状況で重要なのは、落ち着いて手順を確認すること。
やるべきことを理解できれば、精神的な余裕が生まれます。

呼吸をゆっくり吸って吐いて…を繰り返し、通常呼吸へ戻しました。


ライン探索の難しさ

リールでコンパスを作るのですが、固定できそうな岩を探すのにも苦労します。

  • 視界ゼロの暗闇
  • 空気が有限であることの時間制約
  • 孤独

この3つが心理的なストレスとしてのしかかります。
光を感じたくて目を開けたくなりますが、見えないのであえて閉じ、触覚に集中します。

触感からは岩場のごつごつ感、特徴的な形、砂の粘性や軽さなどを読み取り、頭の中で地図を作ります。


コンパスを作り、北から時計回りに進みます(これは私のやり方)。
膝をついて少しずつリールを伸ばし、壁や限界まで行ったら戻る。
途中で浮力が変わったら、もう片方のタンクに切り替えます。

しかし…東南最北まで全滅。
なぜ見つからない…。


今度はありそうな気がした南西の方向へ行こうとすると、イントラからマスクを叩かれ「違う」と合図。
やはり方向は合っていても、真っすぐ進めずずれてしまったようです。

実際めちゃくちゃ曲がって進んでます(笑)

時間やガス圧がわからないのは地味にストレス。
焦りと疲労から、探し方が雑になっていきます。

焦りからどんどん泥を巻き上げてしまう!

どくろの正体

イントラからマスクを叩かれ、「カバーを外せ」と合図。
外して前方を見ると——どくろ?

「あれ、死んだ?」と思ったら、私が巻き上げた泥でホワイトアウトし、イントラが顔の下から照らしたライトが黒いマスクに反射して、そう見えただけでした。

巻き上げた砂で周囲が全く見えなくなる…。
この状態が続けば、さらに視界が悪化して危険な状況に陥ることもあります。
ここで余計に動き回るのは危険だと理解し、状況を察してカバーを戻し、落ち着いて探索を続けました。


ついに発見…そして新たな訓練

何分経ったのか…
11回コンパスへ戻り、12回目でついにラインを発見!
ラインが光って見えるほど嬉しい瞬間(実際は見えていない)。

ついに発見!ラインとリールを接続!

しかしそこでレギュレーターが「フリーフロー」

フリーフローとは、呼吸器(レギュレーター)から空気が止まらず勢いよく出続けるトラブルで、タンクの中の空気が一気に減ってしまいます。
つまり、限られた命綱である呼吸用の空気が短時間で失われてしまう、非常に危険な状態です。

ここで起きたのは器材の故障ではありません。イントラが訓練の一環としてパージボタンを押しただけで、あくまで想定練習の一部です。

完全に気が緩んでいたので一瞬意識が飛びそうになりながらも、ラインから手を離さないようにしつつ、空気が出続けている側のタンクバルブを閉じ(シャットダウン)、もう一方のタンクに切り替えることで対応しました。

さらに進むと、アローの向きが逆。
引き返してプライマリーリールの位置へ戻り、やっとマスクカバーを外すことができました。。。


焦燥しきった状態で残りのドリルをこなし、エキジット。
この日のダイブタイムは113分、約2時間水中にいたことになります。
エキジット時は茫然。
「地面がある…」と感動しました。

水中での強烈な緊張の反動か、エキジット後のふわふわした夢見心地は、普段の倍以上に濃かった気がします。

イントラから「どれくらい探していたと思いますか?」と聞かれ、
「30分くらい?」と答えると、実際は50分でした。


ガイドラインが見つからなかった原因は、焦りで進行方向がずれてしまったこと。
一つ一つを確実・丁寧に行うこと、ガイドラインは“探しに行く”のではなく“待ち構える”こと、視覚以外でもマップを作れること、水中で考える癖を持つこと——これらを学びました。

私の辿ったルートをイントラに書いていただきました。再現性が高くてすごい。ぐにゃぐにゃに曲がって恥ずかしい(笑)

8時からランドドリルを行い、終わったのは17時頃。

この時間まで付き合ってくれたインストラクターに感謝!
間違いなく、人生のトップ3に入るほどすごい一日でした。

ゲストハウスに帰ってからは、ノートに振り返りを6ページみっちり書きました(笑)。
それだけ自分にとって濃く、忘れたくない一日だったんだと思います。

明日は何が待っているのか…。
Day5へ続く。

アフターダイブにエクササイズ!

この日の夜は、ゲストハウスの人たちと一緒にスポーツ広場へ行きました。

ここは無料で開放されていて、陸上コート・サッカーグラウンド・バスケットコート・ワークアウトスペースなどを自由に使えます。
地元の人も観光客も入り混じって、思い思いに楽しんでいる様子でした。

昼間は36度を超える暑さが当たり前なので、夜にこうして運動するのがちょうどいいんです。
のびのびと体を動かせて、とても気持ちよかったです。

しっかり汗を流してリフレッシュできたので、翌日の講習に備えてよいリセットになりました。

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